「知らざぁ言って聞かせやしょう」の名台詞が有名な弁天小僧も、華やかで見せ場の多い演目です。
弁天小僧菊乃助 7世尾上菊五郎 南郷力丸 市川左團次 日本駄右衛門 市川団十郎 中村東蔵 市川海老蔵 河竹黙阿弥作
呉服の老舗、浜松屋へ武家娘が侍とともに来店します。
美しい娘を見て、店の者たちは喜び勇んで反物などを出して見せますが、
娘が万引きをしたのを一人の店員が目撃し、騒ぎたてます。
ところが万引きしたと思い込んだ品は別の店で買ったものでした。
あらぬ疑いをかけられたうえ、騒ぎの最中に娘の額に傷ができてしまい、
どうしてくれると侍は怒り出します。
慰謝料として百両を要求した侍に従い、店側が言われるがままにお金を渡そうとすると、
奥の間から一人の男の客があらわれます。
彼は娘が実は男だと言い募り、武家娘と侍はサギだと見破りました。
すると今までおしとやかだった娘の態度がガラリと変わり、
もうばれては仕方ないと開き直り啖呵を切ります。
その啖呵の語りだしが「知らざぁ言って聞かせやしょう」です。
有名な盗人、弁天小僧であると名乗り、着物を脱いで入れ墨を見せる様子は
七五調のセリフと相まって、まるで錦絵のような美しさでこの芝居一番の見どころでしょう。
この場面だけが上演されることが多いのですが、弁天の正体見抜いた男も実はグルで...
となかなか面白い展開が待っています。
このお芝居の著者である河竹黙阿弥は、弁天小僧をはじめとするかっこいい盗人の
脚本をたくさん書いています。