せりふは分かるようになってきたけど、歌舞伎の音楽はまだよく理解できない...と
いう方は多いと思います。
邦楽は独特の癖がありますが、聞き慣れると主人公の心情や情景描写を実にタイムリーに
説明しています。
おおざっぱに分けると長唄、竹本、常磐津、清元の四種類があります。
長唄は歌舞伎の劇中でもっとも多く使われており、明るく流れるような節回しが特徴的です。
イヨォーッ、ポポン!というかけ声と鼓も長唄に分類されます。
また迫力のある三味線のソロや集団演奏が聴けるのも長唄の醍醐味です。
竹本は義太夫とも呼ばれ、もとは人形芝居から発生しました。
太夫が人物の心理を振りしぼるような声音で歌い、三味線が合いの手を入れる、
二人編成が通常です。時代物などによく登場します。
見分け方としては、竹本は歌詞を書いた本を置く見台にフサが付いており重厚なイメージです。
太夫と三味線は「文楽廻し」と呼ばれる回転式のチョボ床に座っており、
舞台上手(向かって右)に位置しています。
常磐津は舞台下手(向かって左)に位置することが多く、
竹本よりももう少し軽くスムーズな節回しです。
常磐津の見台は朱色で、かわいいネコ脚のものを使用しています。
清元はこの四種の中では一番歴史が新しいです。
その分いろいろな変化や細工があり、派手な印象です。