有名な歌舞伎独特の舞台装置といえば、「花道」と考える方は多いと思います。
能楽の舞台に由来するとされている花道は、歌舞伎を演じるうえで欠かせない存在。
演目中でも、非常に効果的に使われます。
「七三」と呼ばれるやや舞台寄りの花道の真ん中で、登場人物が台詞をしゃべったり、
ちょっとしたやりとりがあってから引っ込んだりするのがセオリーです。
また、この七三の真下には「すっぽん」というせり上がる装置がついていて、
ここから人物が登場することもあります。
が、ここから登場するのは幽霊や人に化けた狐など、普通の人間ではない役柄というお約束です。
花道のつきあたりには歌舞伎座のシンボル、鳳凰が染め抜かれた幕がかかった小屋へとつながっています。
この幕には鈴がついていて、鈴が「シャリン!」と鳴って幕が上がると、
お目当ての役者さんが登場するときの期待がいやでも高まります。
でもこの鈴も、静けさがただよう場面や深刻な場面では鳴りません。
そして歌舞伎では、舞台上で本物の水や泥を使うことも多いです。
主人公が豪快に水をかぶりながら体の泥を洗い流したり、油の入った樽をいくつも
引っくり返しながら殺人を犯したり。
雪や桜の降るシーンでは紙の雪や、ちゃんと花びら型に切り抜かれた桜が、
あとからあとから大量に降ってきます。
歌舞伎に登場する「黒衣(くろこ)」は有名ですが、一面雪景色のような真っ白な場面では、
全身を白い衣装でかためた「雪衣(ゆきご)」が登場します。
こういうところに注目しても、歌舞伎を楽しめますよ。
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