かけ声は難しい?

歌舞伎座で歌舞伎を観ていると、要所要所で「成田屋!」「松嶋屋!」などの

かけ声を耳にします。

叫んでいるのは役者さんの「屋号」で、ファミリーネームのようなものでしょうか。


とはいえ、家族でも屋号が同じとは限りません。

たとえば兄弟である松本幸四郎さんは「高麗屋」ですし、

中村吉右衛門さんの屋号は「播磨屋」です。

これは、二人がそれぞれちがう家の歌舞伎の「型」を引き継いでいるからだそうです。


このかけ声は遠くからかけるのがマナーであるため、

歌舞伎座の場合は通常三階の「大向こう」と呼ばれる場所から聞こえてきます。

一見不思議な習慣のようですが、たとえば役者さんが見得を切ったときや幕切れの寸前など、

大事な場面でかかっていることが分かってきます。


実はかけ声は舞台を引き締めるうえでとても大切な役割を果たしています。

かけ声のかからない舞台は見ていてもさびしいもの。

そのため、歌舞伎座では「かけ声の会」があり、

歌舞伎通の会員たちが無料で歌舞伎座に出入りできるかわりに、

かけ声をかけてあげる仕組みになっているそうです。


かっこいいのでつい真似したくなりますが、声をかけるタイミングは難しいものです。

タイミングがわるいと他のお客さんがしらけてしまい、役者さんも調子がくるってしまうので、

何度か同じ舞台を見てタイミングを把握してからチャレンジしてみるとよいかもしれません。

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