大道具は、広い歌舞伎座の舞台を彩るうえでなくてはならない演出の一つです。
豪華な遊郭から、廻り舞台で一瞬にして質素な長屋へと場面を転換させる見事さは、
一度観ると忘れられないインパクトがあります。
また歌舞伎では本物の水や泥を使った演出も多々あります。これらも大道具が
用意します。
歌舞伎の大道具は、代々長谷川勘兵衛という家が世襲で受け継いできました。
歌舞伎で「長谷川」といえば大道具をさします。ちなみに現在の長谷川勘兵衛氏は
17代目にもなるそうです。
歌舞伎座の舞台を彩る大道具もこの長谷川大道具が作成しています。同じ演目でも
家の「型」によって大道具も少しずつちがってきますし、それが演目ごとにあるのですから、
覚えるのが大変そうですね。
一人前になるのに20年はかかるといいます。
また、役者さんの好みによって背景の色を変えるなどのこまかい心配りも必要とされます。
そして、歌舞伎座は銀座の一等地にあるだけあって、大道具の収納にも多くの場所をとることができません。
海外の劇場などは舞台裏にもスペースがたっぷりあるので大道具の収納にも不自由しませんが、
歌舞伎座の場合は収納のしやすさも考慮した大道具を作る必要があるといいますから、
一苦労ですね。