歌舞伎のキ・ツケ

歌舞伎や大相撲など、興業の場で打たれる拍子木を「キ」と呼びます。

よくテレビなどで、黒・柿・萌黄色の三色の定式幕が引かれるのと同時に

「チョン、チョン、チョン...」と聞こえてくるあれです。

満員の人いきれにも呑まれない澄んだ音を出すには熟練の技が必要だといいます。

特に幕切れではキが打たれるタイミングが芝居の出来映えを大きく左右しますから、重要な役割です。

上演時だけでなく、開演前に時計の役割を果たすのもこの「キ」です。

狂言方という舞台の進行係が、役者や演奏者の支度をうながすために鳴らします。

7分前、5分前、1分前など、鳴らすタイミングは決まっています。

幕が上がる前に時おり奥から聞こえてくるのはこの音です。

いっぽう「ツケ」は、舞台の上手(向かって右)に置かれた樫の板を拍子木で叩き、

役者の演技に効果音を付けるものです。

芝居のクライマックスで、役者が見得を切るときに聞こえる「バタバタバタ...」という音が「ツケ」です。

この音があるとないとでは芝居の雰囲気がまったく変わってしまいますし、迫力もちがいます。

他にも、役者が舞台進行上重要な品物を懐から落としたり、

下駄の鼻緒が切れたりというときにも「ツケ」で音を加えます。

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