他の演劇とちがい、歌舞伎では歌舞伎役者さんが自分で舞台化粧をします。
お化粧も役作りのうちの一つなのです。
それゆえ、歌舞伎の舞台化粧は役柄と密接な関係にあります。有名な隈取りは
血管をあらわしているといわれており、元気な役や気性の激しい役は必ず赤い
隈取りをします。
また隈取りには青や茶色、黒のものも存在します。こういった色の隈取りをして
いる役はたいてい悪役です。
隈取りは関東で生まれた化粧の方法なので、関西の演目には登場しません。
というのも、関東では「荒事」と呼ばれる気性の激しい役が登場する演目が
たくさんありますが、関西の「和事」ははんなりとした役の登場する演目がほとんどだからです。
それから、「赤っつら」といって顔すべてを赤く塗った役があります。
悪役に多く、しかしどこか単純で憎めない雰囲気の子供っぽさのある役が多いです。
男性で顔を白く塗っているのは、若い役に多いです。どちらかといえば色男で二枚目でしょう。
女性も、若い娘は顔を白く塗っていますが年増や老女になると白ではなく肌色になります。
女性の場合、目尻の朱の入れ方や眉の描き方、唇の大きさでがらりと雰囲気が変わります。
当時女性は結婚すると眉を剃っていたので、主婦の役は眉を描きません。